オーストラリアのネヴィル・オーウエン博士は
“座りすぎ”と健康を研究している専門家です。
国内の45歳以上の男女 22万人以上を
3年以上継続して研究した結果
期間中に亡くなった人たちの生活スタイルを
調べたところ、1日に座る時間が
11時間以上だった人たちは
1日4時間未満の人たちに比べ
死亡するリスクが40%も高かったのです。
特にデスクワークの女性は、
立ち仕事の女性と比べると
死亡リスクが60%も上がると報告されています。
また、1時間座り続けるごとに
平均寿命が22分縮まるという報告もあります。
5時間座り続けている場合は約2時間寿命が
縮まることになり、これを毎日繰り返すと
1年間で30日間、10年間で300日縮まります。
座っていると本来使うはずの筋肉を使いません。
全身の7割を占める脚の筋肉が常に休んでいると
体の血液がうまく循環しない状態になります。
血液はドロドロ状態になります。
血液は体の中に取り込まれた糖や中性脂肪などを
消費する役割がありますが、消費できなくなるのです。
つまり代謝の低下です。
その結果、 心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などの
リスクが高まるわけです。
他にも日々の座る時間が長いと
筋力の低下が起こり、転倒→骨折→寝たきり
の原因になります。
これらの対策として効果的な方法は、
20分~30分に1回立って動くことです。
長い時間座った後で1時間まとめて運動するより、
こまめに動く方が効果的です。
今、オーストラリアでは国を挙げて座りすぎの対策に取り組んでいます。
長時間座ることを避け、立ちながら授業を受ける小学校もあります。
職場でも、できるだけ立って過ごすよう勧められています。
ちなみに
世界で最も座る時間が長い国は
1日平均8~9時間で、日本といわれています。