透析の患者さんは心不全になり易いです。
日本透析医学会が実施している調査にて
透析導入後の死因の内訳は
1位 心不全(26.0%)
2位 感染症(22.0%)
3位 悪性腫瘍(9.3%)
4位 脳血管障害(6.6%)
5位 心筋梗塞(4.2%)
という順です。
死因の第1位は「心不全」ですが、
透析の患者さんは
水分や老廃物を尿として排出するのが
困難な為、摂取する水分量に十分注意を
しなくてはいけません。
水分を取り過ぎることで、血液の量が増え
心臓への負担が増えます。同様に塩分の
摂り過ぎも血圧に影響します。
また、
カリウムも尿から排出されず
血中のカリウム濃度が高くなると
不整脈を起こしたり、心肺停止する
こともあります。
カリウムが多く含まれている食品
生野菜、果物、芋類、豆類、海藻など
を摂り過ぎないように注意が必要です。
他の死因にも目を向けると
心不全、脳血管障害、心筋梗塞を併せた
心血管疾患の割合は、全体の36.8%で
透析導入の原因の第1位は糖尿病である
ことから、動脈硬化の進行も
死因の大きなリスクといえます。
一度腎不全になってしまうと、
透析をしても腎臓の働きは元に戻りません。
透析は腎臓の代わりに余分な水分や老廃物を
取り除く対症療法にすぎないのです。
腎不全は定期的な健康診断で
早期に見つけられる場合があるので
健康診断は忘れずに受診しましょう。